最近、いつもある楽器のことを考えている。
まったく私が楽器に使える金額のレベルを通り越しているのだが、欲しくて欲しくて仕方がないから仕方がない。
あゆみ
夜な夜なYouTubeで演奏動画を見て夜更かしし、車の中で、街を歩きながら、仕事中、ふと気がつくとあの円盤のことを思い出す。
もはや恋である。
これは、2001年にスイスのメーカーが作った、円盤を手で叩いて演奏する打楽器。
ハンドパン(Handpan)、また、ハングドラムやスペースドラム等とも呼ばれていたりする。
初めてこの楽器をHungという名で世へ出したPANArtというメーカーは今はこの楽器を作っていないが、それを引き継ぎ(というかパクって)、現在はヨーロッパ、アメリカ、東南アジアでたくさんのメーカーがこの楽器を使っている。
私がこの楽器を知ったのは、3年前くらい。
ツイッターでこの楽器の動画がTLに流れてきて、興味を持った。
その癒される音色と、手で軽快に叩く妙に楽しそうなこの謎の楽器が気になり、すぐに購入方法を調べたが、Amazonにはなく、楽天に出ているハンドパンが20万円、中古でもなかなか出回っていないし安くもならないようで、安く手に入れる手がかりはなし…。
そして、そのまま心の隅に残ったまま数年の時を過ごしてきた。
そして時は経ち、フィリピンのスタバで仕事に勤しんでいる時、心癒される音色を耳にした。
そのBGMはいろいろな楽器のアンサンブルだったが、その中にハンドパンの音色を聴いた。(もしかしたらスチールドラムだったかもしれないが)
それから夢中になってまたYouTubeの動画を見あさるようになり、火が付いた。
3年前より英語に慣れた私は再びインターネットで購入方法の情報収集を試みた。
この数年で、以前よりもかなり、日本語のハンドパンに関するページも増えている。
そして、東南アジアでは現地ではほんの数万円で安く販売しているメーカーもある事を知り、まずは日本にも割と出回っているらしいバリのメーカーの物を買おうと考えた。
しかし、購入意思が明確になった後で、いろいろなメーカーの上げている動画を観ていると、やはりどうしても音の質のいい物が欲しくなってくる。
もともと敷居の高めな楽器屋で働いてたいたので、楽器の価格と質は比例するという話は耳にタコができている。
そしていつの間にか、当初さすがに手が出ないと諦めていた、高い(20万円レベルの)ヨーロッパ製まで視野に入れていた。
まったく私が楽器に使える金額のレベルを通り越しているのだが、欲しくて欲しくて仕方がないから仕方がない。
ちなみに私の楽器歴は、小学校の頃に2年ほどやっていたフルートとトランペット、社会人になってから緩く独学でやっているギターくらい。
ハンドパン奏者は打楽器経験者が多いようだが、私は打楽器の経験はほぼないし、リズム感には人より乏しい自信がある。
実物を触ったことも見たこともないのにネットで買うというのは、かなり勇気のいる買い物である。
もともとあまり大きな買い物はしないし、何万もするブランド物とかも興味がなく、ちまちまと旅資金を貯めている私に20万円は大きすぎる出費。
しかも、届いてやってみたら思いの外出来るようにならず楽しめなかった、という展開もないとは言い切れない…。
それを分かっていながらも、このわくわくを抑えられない。
お金は使うためにあるのだから、人生を豊かにしてくれる物に妥当な金額を払うというのは全く正しいお金の使い方である。
これも楽器屋時代に社長がいつも言っていた事だが、楽器屋は楽器を売るのではなく、夢を売っている。
この楽器を買うことで、その先にある楽しい時間だったり、そこから繋がる縁だったり、そういった夢を得ることができる。
私は、その夢に20万円の価値を見出している。
そして、ハンドパンを背負って旅をしたいという野望というか憧れもある。
ひたすら練習して人に聴かせられるくらいに上達して、行った先々で演奏して、ちょっと喜んでもらえたりして、旅に彩りを持たせられたら素敵だな、とか思っていたりする。(重そうだけど)
……支払い直前になって額面にビビっている自分自身に言い聞かせるかのような記事を書いてしまった。
とにかく、支払いを済ませれば1ヶ月で品が来るらしい。わくわく。
(と言いつつ、今住んでいるフィリピンは通関が厳しく平和に届く気がしないので、日本の実家に送るため、本当に手に入るのはいつになるか不明だが…。)
(と言いつつ、今住んでいるフィリピンは通関が厳しく平和に届く気がしないので、日本の実家に送るため、本当に手に入るのはいつになるか不明だが…。)
あゆみ
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